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海外不動産 減価償却 節税 中古物件 メリット

海外不動産の減価償却 今後の税制改正が予測される海外不動産の節税方法

2017/06/21

1.会計検査院の指摘

平成28年11月7日に会計検査院が検査報告の中で、富裕層による海外中古不動産を利用した節税に対して指摘がありました。

具体的には、海外不動産を購入して、大きく減価償却を取って税金を抑える節税スキームについて、制度を見直す必要があるのではないかということです。

過去、会計検査院の指摘によって、税制改正に反映されたものは数多くあります。住宅用の賃貸建物を取得する際の消費税還付スキームが、税制改正によって厳しくなっているのも、会計検査院の指摘によるものです。

ですから、今後の税制改正で、海外不動産の減価償却については、何らかの変更が行われるのではないかと予想しています。

2.海外不動産の減価償却の取り扱い

海外不動産は、減価償却が大きく取れるのがメリットだと言われますが、海外不動産だから特別な税制を使うのでしょうか?

実は、海外不動産であっても、日本の税制を適用するのです。減価償却の耐用年数も日本のものを適用します。住宅用の場合、木造なら22年、鉄筋コンクリート造なら47年です。

しかし、海外の建物は、築年数が100年を超えるような建物がざらにありますし、価額も築年数が経っていても、あまり下がらない傾向にあります。

会計検査院の報告でも、下記のように言っています。

「 住宅を建築してから滅失するまでの平均年数は、国土交通省の推計によると、日本は約32年であるのに対して、アメリカ合衆国は約66年、英国は約80年となっていて、日本よりも長期間使用されている状況となっている。

そして、日本の戸建住宅は、築後20年までで価値が大きく低下するといわれている一方で、アメリカ合衆国及び英国の戸建住宅は、中古住宅と新築住宅との価格差が小さい状況となっている 」。

3.中古の耐用年数の計算方法

先程紹介した、木造なら22年、鉄筋コンクリート造なら47年の耐用年数は、新築の場合の耐用年数です。日本の税制では、中古資産については、中古の耐用年数が適用できます。

(1)中古の耐用年数( 原則 )

中古の耐用年数は、使用可能期間として見積もられる年数になります。使用可能期間として妥当であれば、2年でも5年でも10年でも償却することができます。

しかし、税務署から後から否認されないように根拠ある年数でなければいけません。 勝手に決めることはリスクがあります。できれば第三者( 専門家など )の鑑定書や意見書などの証拠があることが望ましいです。

(2)中古の耐用年数( 簡便法 )

専門家の鑑定書や意見書を取るにも費用がかかりますし、正確な耐用年数が出せるとも限りません。

このように、今後の使用可能期間を見積もることが困難なときは、次の算式で計算した簡便法による年数によることもできます。

中古の耐用年数=法定耐用年数-( 経過年数×0.8 )

( 注1 )計算結果が1年未満の端数が出た場合には、1年未満切り捨て
( 注2 )税法の規定では、「 中古の耐用年数=( 法定耐用年数-経過年数 )+経過年数×0.2 」となっていますが、計算結果は同じになります。
( 注3 )経過年数が法定耐用年数を超えている場合には、次の算式になります。
法定耐用年数×0.2=耐用年数( 1年未満切捨 )

( 具体例 )
・築30年の鉄筋コンクリートの居住用マンション
→47年-( 30年×0.8 )=23年

・築25年の木造の居住用アパート
→22年( 法定耐用年数 )<25年( 経過年数 )
22年×0.2=4年( 1年未満切捨 )

当然、海外不動産に所在する建物についても、この方法で耐用年数を計算することができます。

4.海外不動産投資の減価償却の実態

海外の建物の耐用年数が長期間であるという実態と、日本の税制による中古の耐用年数の計算にズレがあることが、今回の一番の問題とされています。

報告書では、次のような点を指摘しています。

「 耐用年数が4年となっているものの割合が国外に所在する中古建物全体の約半数を占めていた 」。

「 減価償却費を賃料収入と比較すると、国内に所在する中古建物のうちの90.1%が、賃貸料収入の半分以下となっていた。一方、国外に所在する中古建物については、83.2%が賃貸料収入を上回る状況となっている 」。

減価償却が大きく取れるという点だけを考えると、将来、減価償却がなくなったときに、所得が大きくなり、税金が高くなります。

つまり、先に大きく経費を計上して、税金を抑えても、後に税金が大きく払うことになるため、税金を先送りにしているだけにすぎません。

しかし、税金が高くなる時期を見計らって、その不動産を売却すれば、より税率の低い譲渡税の適用が受けられます( 長期譲渡なら所得税・住民税合計で20.315% )。

さらに、日本から出国して非居住者になれば、日本の所得税の適用を受けないことになるため、高い税金から逃れることも可能になります。

そのような節税スキームを利用することが、問題視されています。

5.今後の税制改正の予想

このような状況を踏まえると、近い将来、海外不動産の減価償却の見直しが行われるでしょう。どのような改正があるかはわかりませんが、例えば、次のようなものがあると思います。

◯海外不動産については、独自の法定耐用年数( 例えば60年など )を設ける
◯中古の耐用年数の簡便法は使用できないようにする

いずれにしても、海外不動産を購入されようとしている方は、減価償却の改正がある可能性があることを視野に入れて、購入するようにしてください。

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